大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和43(あ)583 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人田代長の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、適法な

上告理由にあたらない。

なお、原判決の維持した第一審判決は、本件鉄筋の当時の取引価格を三万一八〇

〇円位と認定判示し、原判決も右価格の算定を相当であると判示しているが、第一

審判決の掲げる関係証拠ならびに記録中のその余の証拠を総合すれば、右価格の算

定が誤りであることは、所論指摘のとおりである。しかし、本件においては、右価

格の点を除くその余の諸般の情況により、なお被告人の知情を認定することが可能

であると認められるから、いまだ刑訴法四一一条を適用すべきものとは認めがたい。

よつて、同法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとお

り判決する。

検察官 本田正義 公判出席

昭和四四年三月四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 松 本 正 雄

裁判官 飯 村 義 美

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